山桜のピンク色があふれた耶馬渓の春。
桜を見ると、あの可愛らしい校舎の小学校をまた訪れたくなりました。
中津市耶馬溪町川原口782番地2の「永岩(ながいわ)小学校」。
平成26年3月31日に閉校しました。
長岩城址への矢印を頼りに谷あいの集落を進み、城址入り口を少しすぎた道路沿いの小高い土地に校舎がたっています。
冷たい冬を乗り越えて花を咲かせた桜は、子どもたちの姿がないことにさびしい思いをしてるんじゃないか・・そんな思いでたずねたのですが、
永岩小学校はさびれてなんかいませんでした。
校舎も校庭も、ほんとに綺麗に清掃されていたんです。
やはり木造校舎には桜がよく似合う。
対岸の山には、石塁で有名な大分県指定史跡の長岩城址。中津城の黒田氏に滅ぼされた城です。
永岩小学校の子どもたちは、毎年地元の誇り「長岩城」の研究に取り組み、平成24年には「城の自由研究コンクール」で日本一の文部科学大臣賞を受賞しています。リアルな山城模型と、イキイキとした調査成果は、こちらのサイトでご覧いただけます。
平成24年の秋といえば、平成26年の大河ドラマに中津城主の黒田官兵衛を主人公にした「軍師官兵衛」放映が発表されたタイミング。大河ドラマの発表と子どもたちの受賞と、素晴らしいニュースが重なりました。
だけど、ドラマ放映がはじまった平成26年3月に、小学校は閉校になったのです。
「永岩小学校は地域の宝。」
「廃校になったからといって、寂れた状態にはしたくない。」
「小学校があったその当時のままの状態を保とうじゃないか。」
小学校の廃校を機に、「長岩校区を守る会」が結成されたそうです。
地域みんなで団結して、大切に手入れをされています。樹木はプロに剪定してもらい、廊下はご婦人方がワックスがけをなさるそう。
子どもが走りでてきそうな教室には、あの受賞した長岩城の素晴らしい模型が展示されています。
地域のために力をつくす人達がいるからこそ、
「長岩城」とともに、「永岩小学校」もこれからもずっと地域の誇りとして生き続けます。
映画のロケ地にもなりそうなレトロで可愛い校舎です。
桜の季節ももう終わり。
耶馬渓は瑞々しい新緑の季節を迎えています。
「長岩城址」とともに、「永岩小学校」にもぜひお立ち寄りください。
内部見学のお問い合わせ先:
「長岩校区を守る会」会長 板迫さん 090-9795-2240