表情豊かなー五百羅漢石仏ー

 

 

五百羅漢。それは仏教において釈迦に仕える500人の弟子たちのことを指します。耶馬渓の北部に位置する羅漢寺には、日本最古の五百羅漢が祀られています。

天然の石橋、絶壁を落ちる滝、大きな岩窟。室町時代の僧はこの奇岩の岩山を見て、羅漢たちが住むという聖地、中国の「天台山」を再現しようと岩から無数の羅漢像を彫ったのです。

 

奇岩の岩山ー古羅漢ー

 

鎖を伝う探勝道ー古羅漢ー

 

 

羅漢寺の目の前には、壁のように連なって立つ岩峰古羅漢があります。一番高い峰は「飛来峰(ひらいほう)」。天竺から飛んできたという中国の霊山「飛来峰」の名に因んでいます。天人橋は自然にできた岩の橋。その下の岸壁に懸けられたお堂では、観音菩薩が出迎えます

 

古羅漢の峰で仏に出会う

 

延々と続く石畳の羅漢寺旧参道

 

今はリフトで登れる羅漢寺ですが、この古羅漢の探勝道から岩をはい、鎖をたどり仏の教えを体感しつつ羅漢寺を目指す古来よりの道もあります。古羅漢の霊場をめぐり、苔むした旧参道の石畳を歩けば、一歩一歩、羅漢の聖地に近づいていきます。

岩窟の寺院ー羅漢寺山門ー

岩窟と、入り口に座るびんずる尊者

岩窟と、入り口に座るびんずる尊者

 

石段をのぼり山門をくぐれば、岩に溶け込む寺院があらわれます。「すくってください」の願いをこめた無数のしゃもじ。入り口には、釈迦にしかられ、650年間外にだされたままの羅漢「びんずる尊者(※1)」が岩にもたれて座っています。

 

蓮を持つ釈迦と迦葉尊者

雨の日だけ現れる滝と仏たち

 

ある日釈迦は問いました。一本のハスの花をつまみ「・・・この意味がわかるか?」。年かさの「迦葉尊者(※2)」は意味を理解し微笑みました。滝に現れた韋駄天(いだてん)は、修行する羅漢たちを厳しく見守っています。「宝誌和尚(※3)」は自身の顔の皮をめくり、本性の観音菩薩をみせています。

経を読む、数珠を繰る、捉えた寅の歯を磨く・・・。石像たちの息遣い、衣擦れの音、喜怒哀楽を含む彼らの声がもれ聞こえそうな羅漢寺山内で、羅漢たちは今も修行を続けています。

 

※1:びんずる尊者(びんずるそんじゃ)=羅漢の一人。人々に軽々しく神通力を見せたので釈迦に叱責されて遠ざけられたという説話がある。 ※2:迦葉尊者(かしょうそんじゃ)=釈迦の後継者。羅漢の一人。 ※3:宝誌和尚(ほうしおしょう)=中国梁代の僧。顔が裂けて観音が現れたという伝説が、羅漢の説話に取り入れられた。

 

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